花音の気まぐれblog

花音の適当なあれこれ

秋だ!一番!呼び捨て祭り


呼び捨てで時代の先端を行く




真澄が青山との会話に気をとられているうちに、目の前では真澄にとってもっと悪い方向に事態が傾き始めていた。

「えっ、マヤさん、ディズニーランド行ったことないの?」

「行ったことないわけじゃないんですけど・・・小さいときに一度だけ。
でもほとんど記憶も思いでもなくて・・・。」

マヤの幼少期が母子家庭で貧しかったことは、ここにいる人達はあまり知らないことだろう。
ましてや、家で同然で月影千草の許に来ていたことも。
女優を目指してからは、生活のすべてを演技に費やしてきたといっても過言ではないマヤである。
真澄も今更ながらに、年頃の娘であったマヤに何一つそれらしい思い出を残してやれなかったことに気づき、忸怩たる思いを味わった。

「それなら今度僕と一緒に行かないか?
ディズニーランドだけじゃなくて、ディズニーシーにも連れて行ってあげるよ。」

「でも・・・菱磐様にそこまでしていただいては。
私・・・とてもドジだから、
色々とご迷惑をおかけしてしまうと思うんです。」

マヤの受け答えに、真澄は思わずこめかみに手を当てそうになるのを既の所で堪えた。
そして、たいしたことではないかのように、二人のやり取りを見守っている振りをする。
だが、今や真澄の心中は、マヤへの突っ込みで溢れかえっていた。

〜マヤ・・・ドジのアピールはダメだ。
君みたいな娘のドジ話は、年上の男には微笑ましくて、可愛いことでしかないんだ。〜

「マヤさんなら迷惑だなんてことないよ。
それに、菱磐様なんて堅苦しい呼び方はやめて欲しいな。
優也でいいよ。」

「そんな・・・呼び捨てになんてできません。
優也様と呼ばせていただいてよろしいですか?」

〜マヤ・・・そんなあっさり、そいつの言うことを受け入れるのか、キミは。
俺なんてキミに一度も真澄様って呼ばれたことなんてないのに。
それどころか、鬼だとか冷血漢とかゴキブリとかゲジゲジとか、人間扱いすらしてもらってない気がする。
最近やっと速水さんって言ってくれる\xA4
茲Δ砲覆辰燭韻譴鼻ΑΑ♧神〕佑覆鵑動貪戮癲ΑΑΑ\xA3
いや、キミには真澄様なんて呼んで欲しくない・・・キミにはもっと特別な・・・
そうさ・・・二人きりのときは "真澄" でかまわないぞ。〜

気づけば、真澄は脳内でマヤに向けて妄想会話を繰り広げていて、思わず咳払いをし、自分をこの現実に引き戻した。

「どうだろう、真澄君。
今度のマヤさんのオフの日には、彼女をディズニーランドに招待したいんだが。
エスコート役は、優也君で不足はないだろう?
もし、まとまったオフがとれるなら、いっそのこと、国内ではなくて、本場オーランドのディズニーワールドでもかまわんが。」

青山の提案に、さすがの真澄も待ったをかける。

「お気持ちはありがたいのですが、マヤのスケジュールはこの先一年ほぼ埋まっておりまして、プライベートで海外へ渡航するのは難しいですね。」

「・・・そうか、それは残念だな。
だが、東京ディズニーなら、一日か二日あればとりあえずは良かろう。
それならどうだね?」


いよいよ、万事休すである。
真澄は青山の心底に、マヤの恋人候補に優也という考えがあるように思えて仕方がない。
事務所の社長として、スキャンダルを避けたいと言い逃れることも一瞬脳裏を過ぎったが、菱磐の御曹司を相手にスキャンダルと言い捨てるのは、ビジネスの点においても望ましくない。
そもそも真澄にできる筈もない話ではあるが、ただの事務所社長としての立場でものを考えるならば、下手なタレントやアイドル、同業者となるよりも、優也のような男と一緒になるほうが、マヤのためには良い。
マヤをまるで実の孫のように可愛がっている青山である、マヤのためにならないことを勧めるはずもなかった。
真澄は、まさに頭を抱えたい心境で、受け答えに窮していた。

「実はですね・・・」

意外にもその場を丸く収めたのはマヤ本人であった。

「実は、今度のオフ、速水さんがご褒美に私を東京ディズニーランドに連れて行ってくれるっていう約束になっているんですよ。
今の様子だと、速水さん、すっかり忘れているようなんですけどね。」

マヤが真澄の眼を見て、ニコッと笑う。

「そういえば、そんな約束をしたな。
たまには頑張ってるご褒美をあげないとな・・・って話したときだったか。」

真澄はマヤからのパスを見逃さなかった。
ごく自然な会話が真澄とマヤの間で繰り広げられる。
そしてこの二人、それぞれに、何だかんだ言っても伊達に長い付き合いではないなと内心で自画自賛している。

「そうか・・・それは残念だな。」

優也はいかにも育ちのいい人柄で、無理に誘うこともなく、わざとらしく残念がることもなく、スマートに引き下がる。真澄はひっそりと安堵のため息をつく。


やがて、食事会は盛会のうちにお開きとなった。
真澄がやれやれと気を抜こうとしたその時、青山から発せられた提案に、またもや真澄に緊張が走った。

「マヤさん、優也君、この後二次会に付き合ってくれんかね。」

どうやら、青山以外のメンバーは、それぞれに岐路につくようである。
このままで行けば、当然二次会の後、優也がマヤを送り届けることになるので\xA4
△蹐Α\xA3
真澄は何とかして、マヤを連れて帰りたかった。
そんな真澄の心境など知る由もない青山が、真澄にも声を掛ける。

「真澄君も一緒にどうかな・・・君も仕事ばかりしていちゃいかんよ。」

「是非。
マヤを置いて帰っては、秘書に大目玉をくらってしまいますので。」

「ああ、水城君か。
彼女は本当に良い秘書だね、、、うちにも欲しいくらいだ。
昔はマヤさんとマネージャもやっていたとか。
マヤさんのことを妹のように思っているんだろうな。」

青山はご機嫌に笑って、3名を引き連れて、行きつけのラウンジバーへ向かった。


ラウンジでは、とりとめのない会話で、終始和やかに時間は過ぎていった。
途中、優也に仕事の電話が入って中座をすると、少しして、マヤが化粧室に席を立った。
そして、真澄と青山の二人だけとなる。

「・・・真澄君・・・君も相当に往生際が悪い男だな・・・。
ビジネスの場で見る君とはまるで別人だ。」

「・・・会長?」


私が何も気づかずにいると思っているのかね・・・。」

真澄の緊張が一気に高まった。
下手なことを口走れば、墓穴を掘りかねない。
しかし、青山は悪戯に言葉の駆け引きをするつもりはなく、ストレートに真澄に問うてきた。

「君なんだろう・・・紫の薔薇の人の正体は。」

真澄は青山の人柄を良く理解している。
何の確信や根拠もなく、言葉を発する人ではない。
しかも、これほどの人物である。
その気になれば、高校生だったマヤに援助をしていた人物が何処の誰かくらい、調べることなど容易い。

「私が・・・何故、大都の後ろ盾になったのか、その理由を教えてやろう。」

真澄の婚約破棄の申し出に端を発した鷹宮との提携解消劇の最中、真澄の義父である英介は真澄には内密で青山に連絡を入れていたという。
もしも真澄が青山に後ろ盾を頼んできたら、是非力になってやって欲しいと。
青山も真澄の力になること自体はやぶさかではないが、そもそも何故婚約破棄になったのかその理由を知りたいと思った。
大都を危\xB8
韻忙唎靴討泙如⊃神,ⅵ⏈麈亡類鬚垢詬鑲海⓲燭覆里ʔ\xA3
英介は青山にたったひとつだけ伝えたという。
『血縁はないが、長年一緒にいると似なくてもいいところが似るものです。
あの子も紅天女に恋をしたのですよ・・・。』
と。
その話を聞いたあと、青山は改めて大都芸能の速水真澄について、考えてみたという。
そして、速水親子に似て非なる違いを見出したのだ。
英介はかつて、紅天女に心を奪われ、心底愛したからこそ、月影千草を求めた。
しかし真澄はそうではなかった。
北島マヤを愛したが故に、彼女の演る紅天女を求め、それに執着したのだ。

「君が何故、紫の薔薇の人という偶像の陰に隠れるようにして、彼女を見守っていたのか・・・。
その理由も調べればすぐに分かった。」

「何もかもご存知だったというわけですね。」

真澄は観念したようにフッと微笑った。

「いじらしいと・・・その時は思ったよ。
そこまでしてあの子を愛しているのかとね。」

だから、鷹宮の件について
はそれ以上何も言わず、聞かず援助をしたのだと。

「だが、今はいささか君に不満を持っている・・・不甲斐無いぞ、真澄君。」

幾らマヤを誰よりも深く愛しても、表舞台に立たなければ何の意味もない。
そうでなければ、いずれマヤの隣には別の男が立つ。
君にはそれを黙って影から見守るだけの存在でありつつける、その覚悟があるのかと。
青山の言葉は、真澄の心の一番柔らかな部分を否応なしに攻めてきた。

「たったあれしき・・・優也君とマヤさんのやり取りを見ていただけで、あんなにも蒼ざめて・・・。
君も男ならいい加減に腹を括りたまえ。
それができないなら・・・私は、優也君にマヤさんの未来を託したい。」

青山が一瞬、冷徹な眼になって、真澄に告げた最後通牒
真澄の唇が僅かに震えた。

「君のマヤさんに対する想いは真実だと思っている・・・それが分からないマヤさんであるはずがない。
これはあくまでも私の推論だが、、、案外、マヤさんは紫の薔薇の正体に既に気づいているんじゃないか?
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しかし、最後はいつもの青山らしく、おおらかに真澄を優しい言葉で諭してくれた。
ここまで言われて何もできなければ、さすがに自分という人間は男として最低だと、自らに引導を渡さざるをえないと、真澄は思った。

「・・・不甲斐無い男で、恥ずかしい限りです。
青山会長にそこまで言わせてしまうなんて、私もまだまだ青二才ですね。」

何もかも完璧な男ほど、意外に臆病で脆いものだよ・・・と、青山は苦笑った。
そうしているうちに、優也が席に戻ってきて、やがてマヤも席についた。

「ああ、マヤさんも今夜は少し酔ったみたいだね・・・真澄君、そろそろ天女様をお送りしなくてはな。」

「確かにマヤさん、少しお顔の色が優れませんね。
今夜はゆっくり休まれてくださいね。
今夜は本当に楽しかったです・・・また、こんな機会がありましたら是非。」

青山の言葉に優也も同調し、マヤが帰りやすいようにその場を切り上げて
くれる。

「青山会長、菱磐さん、今夜は本当にありがとうございました。
今後とも北島を何卒宜しくお願い申し上げます。」

最後に真澄がマヤの社長として、二人に丁寧に礼を尽くし、そのまま4人とも店を出た。


To be continued...







呼び捨て 悪魔が恐れる男がいた。



最終更新:8/16(水) 20:07 <2017年度日本ジュニアゴルフ選手権 初日◇16日◇埼玉県・霞ヶ関カンツリー倶楽部

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